・猟期が始まって数日。早くもあちこちの猟師さんから獲物が掛かったと連絡を頂き、ありがたくも忙しく走り回っております。
僕自身の猟果ですか?はっはっは。
閑話休題。
昨日のこと。とあるお得意様の猟師さんから、
「捕獲檻にシカが掛かったけど、扉に頭が挟まって死んでしまっているみたい」
との連絡がありました。
・止め刺しするまでに死んでしまった獲物は食肉として使用出来ませんし、弊社ではペットフードへの流用も禁じています。他所は知りませんが。
本来なら御自身で片付けて下さいと返答して終わりなんですけれども。こちらの猟師さんは頻繁に獲物を捕らえては提供して頂いていて、特にこれからの季節にイノシシを捕獲檻にてバシバシ獲りまくる名人でいらっしゃいます。
なので、人足の提供などお安いこと。片付の手伝いに出発しました。
・ところで。
捕獲檻の扉に獲物が挟まって死ぬ、ということがあるのか?とお思いでしょうか。
「場合によっては」偶にあります。
捕獲檻がどういった仕組みなのかは、詳しくはGoogle先生に訊いて頂きたいんですけれども。
落とし扉をワイヤーで引っ張り上げて、その端っこを金具で捕獲檻の壁というか柱というかに引っ掛けます。
その金具にテグスなり針金なりの糸を結んで捕獲檻の中にピンと張って米ヌカなりクズ野菜なりのエサをばら撒いておいて、入って来た獲物が糸に触れると金具が外れて扉が落ちて閉じ込める、と。
ざっと言えばこんな感じ。
つまりは、扉が閉じる動力は重力オンリーな自由落下ですので、最初の一瞬だか半瞬だかはスロウリーなワケですね。そして頑丈な鉄製の落とし扉を支えている金具は、その名の通り金属製でして。外れる瞬間には捕獲檻に当たってカチャンと音を立てるのは避けられない道理。
なので。異音がしてから扉が落ちきるまでの僅かなタイムラグに、野生の反射神経と瞬発力でもって脱出してしまう場合があるのです。
脱出できないとどうなるのか?
完全に手遅れだと、中に閉じ込められて捕獲完了。
そして中途半端に遅れた場合、扉に挟まれてしまう次第です。
大人のイノシシだと、体で扉を支えてその間にウリ坊を逃がしてからグリグリ脱出したりもするようです。ようですというか、以前ようつべで観たことあります。親の愛でもって主体的に逃がしたのか、うっかり挟まった隙にジャリどもが勝手に逃げてっただけなのかは存じませんけど。
で。時として軽トラに打ち克ったりする魔獣・イノシシならともかく、ウリ坊やタヌキとかの小動物だと、扉の重みで圧殺されてしまう場合もあり得るのです。それこんな風に。

流石に自主規制。ちなみにこれ・・・タヌキです・・・。
あたかもギロチン風味ですが、首チョンパまでは行ってません。迂遠な言い回しをすれば、デスメタルのステージに立ったら強烈なヘッドバンキングで観客を魅了しそうな、そんな具合。
・今回も、そーいった感じになってるんかなー、とか考えながら軽トラ走らせていたんですけど。途中でふと疑問に思いました。
はて、あの檻そんなにデカかったっけ?
何度もシカやイノシシを獲りに行ってる現場なんですが。そこの捕獲檻の扉の高さはせいぜい150センチとかその程度ですよ?足が長くて体高が高く、加えて首も長いシカが、そんな扉が落ちきるまでの間に、狭い檻の中でぐるっと反転して頭を低く走り抜けようとして、挟まった?
なんかちょっと想像できない。
ていうかそもそも、捕獲檻の扉に挟まれた獲物って前述のとおり小動物系しか自分は知らないんですが。シカって、ウマみたく頭を高い位置のままで走るものなんじゃないんですか?少なくとも見回り中に偶に見かけるフリー状態のシカは何時もそうなんですけど。木の枝を躱す際とかは、まあ頭を下げはするか。でも肩までの体高だけでも大したものですよ?
これは一体どーゆう事なの。首を傾げながら現場についてみると。

そーゆう事かYO!
挟まってる。まあ挟まってる、か?んんー?
挟まってるってなんだ。
「異なる物体同士、もしくは可動する別々の部位同士をもって、第三の物体を抑え込んだ状態」
勝手に定義してみましたが、間違ってはない筈。
この観点に基づいて上の写真を見てみますと、異なってないし可動もしないし。頭突っ込んで抜けなくなってるだけやんけ。やだもー。
頭を挟んで死んでるみたい、という言い回しから、既知の事例を連想してそのつもりになってましたよ。
いや、これも確かに挟まってると言うんでしょうけれども。ギギギ。
・そう、死んでるみたい、という言について。
確かに身じろぎもせず棒立ち状態のままで、立ったまま死んでいるかのようでした。
で。取り敢えずどんなハマり具合なのかと頭を掴もうとした瞬間に暴れ出しました。
生きてる!動いてる!
て言うか、めっちゃ元気やんけ。
動かなかったのは疲れ果てていたからなのか、或いは茫然自失としていたからだったようです。
軽トラのタイヤが片側の前後両方とも側溝にハマったみたいなものと思えば気持ちは判りますけど。
ほんっと判りますけど。ていうか止めてくれその言い方は僕に効く。止めてくれ。
・閑話休題。
タダ働きが一転して獲物の収穫となったのは喜ばしい事。
会社へその旨を連絡完了してさて始めるかと準備完了したところで、しかしこれは一体どーしたものか。
弊社では、止め刺ししてから一時間以内に会社へ搬入すべしという社内ルールがあります。そしてこの現場から会社までの所要時間はおよそ30分弱。
なので、止め刺し完了後は通常以上にのんびりしていられない為、頭を引っこ抜くのに手間取ることになってはいけません。生きてるうちにどーにかしなければ。
とは思ったんですが、思っただけでどーにかなってればこのシカも苦労はしていません。
マンガか!と言ってやりたいくらいにガッツリとハマり込んでくれてます。
耳とか皮とかお肉とか以前に、骨格レベルでもうダメな勢いなんですけど。
どこまで頑張ったらここまで刺さるとゆーのか。
しかしなんですな、生きてるシカの頭をここまでいじくり倒したのは初めてなんですが。
噛み付くという発想は、ホントに無いんですなー・・・この個体だけの話かもしれないし、仔ジカ、あるいはメスシカだからなんかもしれませんが。別に噛み付かれたいワケでもありませんし文句も無いんですけどね。
・これはもう逆転ホームラン。生きてるうちに頭を外すんじゃなくて、生きてない状態にしてから(婉曲)頭を物理的に外す(暗喩)しかないんでしょうか。
でも道具が無いなー。
普段の見回り、或いはくくりワナに獲物が掛かってる場合には、枝やら雑木やらを切る事態に備えてノコギリやナタを持ち歩いてるんですが。農道の脇の捕獲檻と分かっていたので、止め刺し用の薄刃のナイフしかありません。
これで首をもぐのは相当ホネです。ネックなのは首のホネ。首だけに。そしてホネだけに。
そもそも、処理施設外でそんなに大きく切開するのは衛生的にアウトですし。
もはや食肉利用は諦めて、ペットフード用として処理すべきなのかどーなのか。ぐぬぬ。
・結論として。
頭を外さなくても、外すことが出来ました。
取り敢えず脱力させてみたら(意味深)、なんか角度が変わったのか筋肉の力みが取れたからなのか案外スポっと引っこ抜けてやれ一安心。持って帰って処理した結果(隠喩)、クビ肉は流石に無残なことになってましたが他の部位はむしろ良質なほどでした。
バンビちゃんに毛が生えた程度の小サイズで軽いシカで良かった。頭の抜けないままでも扉を持ちあげて脇から入って引っ張るとか色々できましたからね。
これが50,60キロとかになって来るとそうもいかず、大変なことになってたでしょう。
いや待て、そんなデカいと頭刺さらずこんな事態になってないのか。ぬう。
なんかもう日々勉強というか。毎日毎回が新鮮なのは良いことかも知れませんけど、もうちょっとフラットでも宜しくありませんかよ。
僕自身の猟果ですか?はっはっは。
閑話休題。
昨日のこと。とあるお得意様の猟師さんから、
「捕獲檻にシカが掛かったけど、扉に頭が挟まって死んでしまっているみたい」
との連絡がありました。
・止め刺しするまでに死んでしまった獲物は食肉として使用出来ませんし、弊社ではペットフードへの流用も禁じています。他所は知りませんが。
本来なら御自身で片付けて下さいと返答して終わりなんですけれども。こちらの猟師さんは頻繁に獲物を捕らえては提供して頂いていて、特にこれからの季節にイノシシを捕獲檻にてバシバシ獲りまくる名人でいらっしゃいます。
なので、人足の提供などお安いこと。片付の手伝いに出発しました。
・ところで。
捕獲檻の扉に獲物が挟まって死ぬ、ということがあるのか?とお思いでしょうか。
「場合によっては」偶にあります。
捕獲檻がどういった仕組みなのかは、詳しくはGoogle先生に訊いて頂きたいんですけれども。
落とし扉をワイヤーで引っ張り上げて、その端っこを金具で捕獲檻の壁というか柱というかに引っ掛けます。
その金具にテグスなり針金なりの糸を結んで捕獲檻の中にピンと張って米ヌカなりクズ野菜なりのエサをばら撒いておいて、入って来た獲物が糸に触れると金具が外れて扉が落ちて閉じ込める、と。
ざっと言えばこんな感じ。
つまりは、扉が閉じる動力は重力オンリーな自由落下ですので、最初の一瞬だか半瞬だかはスロウリーなワケですね。そして頑丈な鉄製の落とし扉を支えている金具は、その名の通り金属製でして。外れる瞬間には捕獲檻に当たってカチャンと音を立てるのは避けられない道理。
なので。異音がしてから扉が落ちきるまでの僅かなタイムラグに、野生の反射神経と瞬発力でもって脱出してしまう場合があるのです。
脱出できないとどうなるのか?
完全に手遅れだと、中に閉じ込められて捕獲完了。
そして中途半端に遅れた場合、扉に挟まれてしまう次第です。
大人のイノシシだと、体で扉を支えてその間にウリ坊を逃がしてからグリグリ脱出したりもするようです。ようですというか、以前ようつべで観たことあります。親の愛でもって主体的に逃がしたのか、うっかり挟まった隙にジャリどもが勝手に逃げてっただけなのかは存じませんけど。
で。時として軽トラに打ち克ったりする魔獣・イノシシならともかく、ウリ坊やタヌキとかの小動物だと、扉の重みで圧殺されてしまう場合もあり得るのです。それこんな風に。

流石に自主規制。ちなみにこれ・・・タヌキです・・・。
あたかもギロチン風味ですが、首チョンパまでは行ってません。迂遠な言い回しをすれば、デスメタルのステージに立ったら強烈なヘッドバンキングで観客を魅了しそうな、そんな具合。
・今回も、そーいった感じになってるんかなー、とか考えながら軽トラ走らせていたんですけど。途中でふと疑問に思いました。
はて、あの檻そんなにデカかったっけ?
何度もシカやイノシシを獲りに行ってる現場なんですが。そこの捕獲檻の扉の高さはせいぜい150センチとかその程度ですよ?足が長くて体高が高く、加えて首も長いシカが、そんな扉が落ちきるまでの間に、狭い檻の中でぐるっと反転して頭を低く走り抜けようとして、挟まった?
なんかちょっと想像できない。
ていうかそもそも、捕獲檻の扉に挟まれた獲物って前述のとおり小動物系しか自分は知らないんですが。シカって、ウマみたく頭を高い位置のままで走るものなんじゃないんですか?少なくとも見回り中に偶に見かけるフリー状態のシカは何時もそうなんですけど。木の枝を躱す際とかは、まあ頭を下げはするか。でも肩までの体高だけでも大したものですよ?
これは一体どーゆう事なの。首を傾げながら現場についてみると。

そーゆう事かYO!
挟まってる。まあ挟まってる、か?んんー?
挟まってるってなんだ。
「異なる物体同士、もしくは可動する別々の部位同士をもって、第三の物体を抑え込んだ状態」
勝手に定義してみましたが、間違ってはない筈。
この観点に基づいて上の写真を見てみますと、異なってないし可動もしないし。頭突っ込んで抜けなくなってるだけやんけ。やだもー。
頭を挟んで死んでるみたい、という言い回しから、既知の事例を連想してそのつもりになってましたよ。
いや、これも確かに挟まってると言うんでしょうけれども。ギギギ。
・そう、死んでるみたい、という言について。
確かに身じろぎもせず棒立ち状態のままで、立ったまま死んでいるかのようでした。
で。取り敢えずどんなハマり具合なのかと頭を掴もうとした瞬間に暴れ出しました。
生きてる!動いてる!
て言うか、めっちゃ元気やんけ。
動かなかったのは疲れ果てていたからなのか、或いは茫然自失としていたからだったようです。
軽トラのタイヤが片側の前後両方とも側溝にハマったみたいなものと思えば気持ちは判りますけど。
ほんっと判りますけど。ていうか止めてくれその言い方は僕に効く。止めてくれ。
・閑話休題。
タダ働きが一転して獲物の収穫となったのは喜ばしい事。
会社へその旨を連絡完了してさて始めるかと準備完了したところで、しかしこれは一体どーしたものか。
弊社では、止め刺ししてから一時間以内に会社へ搬入すべしという社内ルールがあります。そしてこの現場から会社までの所要時間はおよそ30分弱。
なので、止め刺し完了後は通常以上にのんびりしていられない為、頭を引っこ抜くのに手間取ることになってはいけません。生きてるうちにどーにかしなければ。
とは思ったんですが、思っただけでどーにかなってればこのシカも苦労はしていません。
マンガか!と言ってやりたいくらいにガッツリとハマり込んでくれてます。
耳とか皮とかお肉とか以前に、骨格レベルでもうダメな勢いなんですけど。
どこまで頑張ったらここまで刺さるとゆーのか。
しかしなんですな、生きてるシカの頭をここまでいじくり倒したのは初めてなんですが。
噛み付くという発想は、ホントに無いんですなー・・・この個体だけの話かもしれないし、仔ジカ、あるいはメスシカだからなんかもしれませんが。別に噛み付かれたいワケでもありませんし文句も無いんですけどね。
・これはもう逆転ホームラン。生きてるうちに頭を外すんじゃなくて、生きてない状態にしてから(婉曲)頭を物理的に外す(暗喩)しかないんでしょうか。
でも道具が無いなー。
普段の見回り、或いはくくりワナに獲物が掛かってる場合には、枝やら雑木やらを切る事態に備えてノコギリやナタを持ち歩いてるんですが。農道の脇の捕獲檻と分かっていたので、止め刺し用の薄刃のナイフしかありません。
これで首をもぐのは相当ホネです。ネックなのは首のホネ。首だけに。そしてホネだけに。
そもそも、処理施設外でそんなに大きく切開するのは衛生的にアウトですし。
もはや食肉利用は諦めて、ペットフード用として処理すべきなのかどーなのか。ぐぬぬ。
・結論として。
頭を外さなくても、外すことが出来ました。
取り敢えず脱力させてみたら(意味深)、なんか角度が変わったのか筋肉の力みが取れたからなのか案外スポっと引っこ抜けてやれ一安心。持って帰って処理した結果(隠喩)、クビ肉は流石に無残なことになってましたが他の部位はむしろ良質なほどでした。
バンビちゃんに毛が生えた程度の小サイズで軽いシカで良かった。頭の抜けないままでも扉を持ちあげて脇から入って引っ張るとか色々できましたからね。
これが50,60キロとかになって来るとそうもいかず、大変なことになってたでしょう。
いや待て、そんなデカいと頭刺さらずこんな事態になってないのか。ぬう。
なんかもう日々勉強というか。毎日毎回が新鮮なのは良いことかも知れませんけど、もうちょっとフラットでも宜しくありませんかよ。
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