・およそ10日ほど前の獲物がこちら。

ここで一首、歌います。
里山に モミジ踏みわけ 鳴くシカの
声が聞こえたら狩りの時間じゃヒャッハータヒねオラァァン!!
失敬、詩情と蛮族魂が迸ってしまいました。
この頃はすっかり夜明けが遅くなってきて、この現場を見回る時はまだ真っ暗なもので懐中電灯を使ってました。よーやく掛かりました故に明るくなってから止め刺しに来てみれば、こんな落ち葉が綺麗に降り積もっていたとはとんと気付かず。
・閑話休題。
この獲物、メスシカに見えて実はオスシカ。ツノが生えていない事から、この春に生まれた一歳未満の若シカだと思います。
ビックリしたのが、止め刺ししようとしたら頭からこっちへ突っ込んできたこと。
大人のオスシカなら、半分くらいの確率で(僕個人の感覚ですが)突っかかってくる攻撃的な個体は
居るんですけど、こんなバンビちゃんもどきで荒ぶってるのは初めて見ました。
それで何が困ったかって、まったく怖くもなんとも微塵も欠片もなかった、ということなんですけれども。
ぶっちゃけ最初の一瞬は、頭を撫でろとせがんできてるのかと思ったくらい。
それにしては勢い良過ぎだろ・・・え、攻撃?みたいな。
いえ申し訳なんですけど割と本気で。
企業秘密兵器棒の片っぽだけで、十分押しとどめてしまえてました。
相手は本気でこっちに突撃かまそうと踏ん張ってる様子なんですが、16ミリの塩ビパイプがたわみすらしねえ。なんだか池乃めだか師匠とひとネタ演じてる気分で、いっそ居たたまれなくなってしまいました。
・シカのツノは春先に自然と抜け落ちます。その頃にワナに掛かったオスシカだと、ツノを失くしたことに気付いてないのかうっかりなのか、頭を振りかざして空振りする様子を何度か目の当たりにしたことはあるんですが。
こんなツノのツの字も生えたことのない仔ジカでも攻撃しかけてくることがあるとは、ケンカ慣れ不慣れとかの問題ではなく本能とか個体の性質とかの話なのでしょうかね。
先に申しましたとおり、オスシカでも攻撃的な個体は半分くらい、と個人的に感じてます。
これまで狩ってきたオスシカの中でも、ぶっちぎりにヤバかったのがコイツ。

諸事情により一部隠蔽。
捕獲証明写真として撮影したこの時点ではワイヤーが木に巻き付いて動けなくなっていましたが、残りのワナを見回ってから止め刺しに戻ってきたら、上手いこと動いて絡まったワイヤーを解いて、けっこう自由に動ける状態になってました。
さして近付いてない距離でもツノを振り回して威嚇して来るので、最初からくくり棒を用意。塩ビパイプにワイヤーを通して輪っかを作って、ツノに引っ掛けてからワイヤーの反対側を別の木にくくり付けて動けなくする、という道具です。
イノシシなら足に引っ掛けるなり輪っかを噛み付かせてアゴを縛るなりと、手間と時間がかかるのですが、オスシカのツノだと簡単に引っ掛けられるので楽です。
と、過去の経験からそう思ったんですけれども。
くくり棒を掲げて近付いたら、ぴゃーっと木の反対側へ突っ走って逃げていきました。
残り半分の気弱タイプかよ面倒くさ、と毒づきながら2,3歩近付いたら。
くるっと振り返って、こっちに突っ込んできやがりました。
ひいいいぃっ、と慌てて後ろへ飛びのきながらくくり棒で身をかばったんですがツノで腕をしばかれて痛ってえええぇぇ!?
その後即座に踵を返してまた木の反対側へ猛ダッシュ。軋むワイヤー。えぇー。
それをまた真っ直ぐ追ったら二の舞いなので。ぐるっと遠回りに、シカの移動可能圏内を避ける様に近付こうとしたんですが。うっかり圏内に片足踏み込んだらまた即座に猛ラッシュ。慌てて退避。
移動圏内を最大限に活用して最大攻撃を一直線にぶつけてくるやり方は、正にイノシシのそれです。イノシシの様に舞い、イノシシの様に刺す。
ぬう、これはまさしくイノシシ殺法・・・!
そのまんまやないか(CV:犬山あおい )。
閑話休題。
結局あと2回くらいツノでしばかれて草。
いや笑い事ではありません。ツノの角度がちょっと違ってたら。退避が遅かったら、または踏み込み過ぎてたら、ぐっさりツノがぶっ刺されるかもしれません。
イノシシ相手でこんな感じの時には、運搬用のソリを盾代わりに使うんですが。
オスシカ相手だと今まで不要でしたので、軽トラに置きっぱのまま。
それを取りに戻るか、或いは自分を囮に上手いことシカを誘導して、再びワイヤーを木に巻き付かせて移動圏を狭めるとか。手は幾らでもあるんですが、ちょっと時間をかけてはいられない状況になってました。
というのも、上の写真で隠蔽してる部分なんですが。
一晩で相当暴れ回ってくれたようで、ワナに掛かった足が既に折れかけていました。
折れかけというか、骨とお肉はぶっちり千切れてて、皮と腱でなんとか繋がってる感じ。
そんな足で、さっきからガッチャンガッチャン暴れてくれてるワケですよ。いつ足が完全に千切れてしまうか判らない状況。
そーなっても逃げてしまうなら良いですけど(いや良くないですけど報奨金的な意味で)、コイツの場合、そのままこっちへ突撃してきそうな予感がビシバシと。いえ普通は逃げてくれる筈ですが、なんかそういう眼をした。
といった次第で、急がなければいけないけど危ないんで安全対策しないとだけど時間がないけど以下ループ。17,000円と命を天秤にかける男すなわち僕。ぬう。
・その後。割とあっさりくくり棒が引っ掛かって、結局無事に止め刺し完了しました。オチなし。
ていうかオチがあったら僕の生命健康に支障が生じてましたが。
記録を確認したら、体重43kg。4本ツノにしては割と慎まし目のサイズでした。それなのにドッタンバッタン大騒ぎでしたよ。
獣道と最寄りの木がそれでも少し離れていた為にワイヤーを長くせざるを得なかったこと、全くの平地なので走りやすかったことが敗因かと。ぬうう。
・デカいオスシカは必ず危険なのかというと、そんなワケでもなく。
自分が見てきた中で、最大のオスシカがこちら。

これだとサイズが判りにくいかもしれません。
身長180センチ弱の僕と一緒に映った写真がこちら。

実に体重、101キロ。僕ではなくシカのことですので念のため。
この辺では、80キロ級で大物クラス。90キロ超えは中々ないです。年に数頭レベル。
100キロオーバーは3年間勤めてこれしか見たことないです。
一人だと運搬も積み込みも絶対に不可能でしたが。
この日は偶然にも近所の農家の人達が見物していて、手伝って下さって三人がかりだったので支障なく。日頃の行いがモノを言うのですよふふん。
それはともかく、そーいった理由ですのでそこまで重いとは思ってなくて、会社に搬入してから測定してビックリでした。
そんな100キロ級のコイツですが、止め刺しの際にはひたすら逃げようとするばかり。走ってドカーンとかではなく、向うの方でうぃーんと引っ張って引っ張って何とか頑張ってるだけで。
流石に足首周辺はボロボロでしたがそれだけで。横からエイッでぷすりでドサリでグサーですよ。
なんという恵体の持ち腐れか。いえ活用されても困るんですけど。

ここで一首、歌います。
里山に モミジ踏みわけ 鳴くシカの
声が聞こえたら狩りの時間じゃヒャッハータヒねオラァァン!!
失敬、詩情と蛮族魂が迸ってしまいました。
この頃はすっかり夜明けが遅くなってきて、この現場を見回る時はまだ真っ暗なもので懐中電灯を使ってました。よーやく掛かりました故に明るくなってから止め刺しに来てみれば、こんな落ち葉が綺麗に降り積もっていたとはとんと気付かず。
・閑話休題。
この獲物、メスシカに見えて実はオスシカ。ツノが生えていない事から、この春に生まれた一歳未満の若シカだと思います。
ビックリしたのが、止め刺ししようとしたら頭からこっちへ突っ込んできたこと。
大人のオスシカなら、半分くらいの確率で(僕個人の感覚ですが)突っかかってくる攻撃的な個体は
居るんですけど、こんなバンビちゃんもどきで荒ぶってるのは初めて見ました。
それで何が困ったかって、まったく怖くもなんとも微塵も欠片もなかった、ということなんですけれども。
ぶっちゃけ最初の一瞬は、頭を撫でろとせがんできてるのかと思ったくらい。
それにしては勢い良過ぎだろ・・・え、攻撃?みたいな。
いえ申し訳なんですけど割と本気で。
企業秘密兵器棒の片っぽだけで、十分押しとどめてしまえてました。
相手は本気でこっちに突撃かまそうと踏ん張ってる様子なんですが、16ミリの塩ビパイプがたわみすらしねえ。なんだか池乃めだか師匠とひとネタ演じてる気分で、いっそ居たたまれなくなってしまいました。
・シカのツノは春先に自然と抜け落ちます。その頃にワナに掛かったオスシカだと、ツノを失くしたことに気付いてないのかうっかりなのか、頭を振りかざして空振りする様子を何度か目の当たりにしたことはあるんですが。
こんなツノのツの字も生えたことのない仔ジカでも攻撃しかけてくることがあるとは、ケンカ慣れ不慣れとかの問題ではなく本能とか個体の性質とかの話なのでしょうかね。
先に申しましたとおり、オスシカでも攻撃的な個体は半分くらい、と個人的に感じてます。
これまで狩ってきたオスシカの中でも、ぶっちぎりにヤバかったのがコイツ。

諸事情により一部隠蔽。
捕獲証明写真として撮影したこの時点ではワイヤーが木に巻き付いて動けなくなっていましたが、残りのワナを見回ってから止め刺しに戻ってきたら、上手いこと動いて絡まったワイヤーを解いて、けっこう自由に動ける状態になってました。
さして近付いてない距離でもツノを振り回して威嚇して来るので、最初からくくり棒を用意。塩ビパイプにワイヤーを通して輪っかを作って、ツノに引っ掛けてからワイヤーの反対側を別の木にくくり付けて動けなくする、という道具です。
イノシシなら足に引っ掛けるなり輪っかを噛み付かせてアゴを縛るなりと、手間と時間がかかるのですが、オスシカのツノだと簡単に引っ掛けられるので楽です。
と、過去の経験からそう思ったんですけれども。
くくり棒を掲げて近付いたら、ぴゃーっと木の反対側へ突っ走って逃げていきました。
残り半分の気弱タイプかよ面倒くさ、と毒づきながら2,3歩近付いたら。
くるっと振り返って、こっちに突っ込んできやがりました。
ひいいいぃっ、と慌てて後ろへ飛びのきながらくくり棒で身をかばったんですがツノで腕をしばかれて痛ってえええぇぇ!?
その後即座に踵を返してまた木の反対側へ猛ダッシュ。軋むワイヤー。えぇー。
それをまた真っ直ぐ追ったら二の舞いなので。ぐるっと遠回りに、シカの移動可能圏内を避ける様に近付こうとしたんですが。うっかり圏内に片足踏み込んだらまた即座に猛ラッシュ。慌てて退避。
移動圏内を最大限に活用して最大攻撃を一直線にぶつけてくるやり方は、正にイノシシのそれです。イノシシの様に舞い、イノシシの様に刺す。
ぬう、これはまさしくイノシシ殺法・・・!
そのまんまやないか(CV:犬山あおい )。
閑話休題。
結局あと2回くらいツノでしばかれて草。
いや笑い事ではありません。ツノの角度がちょっと違ってたら。退避が遅かったら、または踏み込み過ぎてたら、ぐっさりツノがぶっ刺されるかもしれません。
イノシシ相手でこんな感じの時には、運搬用のソリを盾代わりに使うんですが。
オスシカ相手だと今まで不要でしたので、軽トラに置きっぱのまま。
それを取りに戻るか、或いは自分を囮に上手いことシカを誘導して、再びワイヤーを木に巻き付かせて移動圏を狭めるとか。手は幾らでもあるんですが、ちょっと時間をかけてはいられない状況になってました。
というのも、上の写真で隠蔽してる部分なんですが。
一晩で相当暴れ回ってくれたようで、ワナに掛かった足が既に折れかけていました。
折れかけというか、骨とお肉はぶっちり千切れてて、皮と腱でなんとか繋がってる感じ。
そんな足で、さっきからガッチャンガッチャン暴れてくれてるワケですよ。いつ足が完全に千切れてしまうか判らない状況。
そーなっても逃げてしまうなら良いですけど(いや良くないですけど報奨金的な意味で)、コイツの場合、そのままこっちへ突撃してきそうな予感がビシバシと。いえ普通は逃げてくれる筈ですが、なんかそういう眼をした。
といった次第で、急がなければいけないけど危ないんで安全対策しないとだけど時間がないけど以下ループ。17,000円と命を天秤にかける男すなわち僕。ぬう。
・その後。割とあっさりくくり棒が引っ掛かって、結局無事に止め刺し完了しました。オチなし。
ていうかオチがあったら僕の生命健康に支障が生じてましたが。
記録を確認したら、体重43kg。4本ツノにしては割と慎まし目のサイズでした。それなのにドッタンバッタン大騒ぎでしたよ。
獣道と最寄りの木がそれでも少し離れていた為にワイヤーを長くせざるを得なかったこと、全くの平地なので走りやすかったことが敗因かと。ぬうう。
・デカいオスシカは必ず危険なのかというと、そんなワケでもなく。
自分が見てきた中で、最大のオスシカがこちら。

これだとサイズが判りにくいかもしれません。
身長180センチ弱の僕と一緒に映った写真がこちら。

実に体重、101キロ。僕ではなくシカのことですので念のため。
この辺では、80キロ級で大物クラス。90キロ超えは中々ないです。年に数頭レベル。
100キロオーバーは3年間勤めてこれしか見たことないです。
一人だと運搬も積み込みも絶対に不可能でしたが。
この日は偶然にも近所の農家の人達が見物していて、手伝って下さって三人がかりだったので支障なく。日頃の行いがモノを言うのですよふふん。
それはともかく、そーいった理由ですのでそこまで重いとは思ってなくて、会社に搬入してから測定してビックリでした。
そんな100キロ級のコイツですが、止め刺しの際にはひたすら逃げようとするばかり。走ってドカーンとかではなく、向うの方でうぃーんと引っ張って引っ張って何とか頑張ってるだけで。
流石に足首周辺はボロボロでしたがそれだけで。横からエイッでぷすりでドサリでグサーですよ。
なんという恵体の持ち腐れか。いえ活用されても困るんですけど。
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