・三連休のあいだ施錠していたワナを再セットしていた昨朝のこと。
幾つかのワナの至近に足跡が刻まれていたり、中にはガッツリ踏み込んだワナもあったりしてぐぬぬ。
休み中もワナを稼働状態にしていれば幾つか掛かっていたんでしょうけどそーいうワケにもいきませんし。これらのワナに今度近付いてくれるのは何日後のことなのか。

・なんて悲観的になってたんですが明けて今朝になってみるとうおおおおおおおお
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自分のワナで捕まえるシカはおよそ2ヵ月ぶりです。
推定25キロほど、活きのいい一本角の若ジカ。会社搬入時の測定では27キロでした。
活きがいいのは結構ですが、元気よすぎて不安になります。また足千切って逃げたりするまいな、と。脳裏をよぎるトラウマ。
出来ればちゃっちゃと止め刺ししてしまいたいんですが、見回りはまだまだ残ってるので次の現場へと向かいます。

・その後いくつか空振りの後、とある現場にて。
見慣れた景色になんだか違和感。木々の間に何やら白いものが見えます。
まさかの二連撃か!
喜び勇んで近付いていきますが、なんだかおかしい。動いてる様子が全くありません。これはもしや…
以下、もしかしてショッキングかも知れない画像ですので閲覧注意。















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Oh…

・くくりワナでシカを捕まえた際に偶にあるのですが。
斜面で吊り下がったり草木に絡まって転んで起き上がれなくなったりして身動きがとれなくなり、それでも何とか起き上がろうと足掻いてもがいて頑張ってしかし適わず、たった一晩どころか数時間でも衰弱死してしまうことがあります。
このシカの場合、頭を下に転んで下半身が斜面の下方向にバターンと倒れ込んで、そのまま頭が胴体から抜けず起き上がれなくなってしまったようです(首の骨が折れてるとかではなく)。

こんな事にならないように、普段からワナを設置する場所には気を配ってたのですが。
ていうか実際、ワナの様子はこんな感じ。
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ワナを固定している木から、シカの足先のくくり部分までおよそ2メートル弱。
押しバネを使用しているためある程度の長さが必要とはいえ、結構ギリギリの長さに抑えているつもりです。
あまり急な斜面でもないですし、自分の見立てではワナを固定した木か周辺の木に巻き付いて可動範囲が狭まって、斜面か獣道に座り込んで大人しくなってる予定だったんですがぐぬぬ。
こうして改めて確認すると、もはやここ以外にないという絶妙なポジショニングで死んでやがりますなコイツ。

・やらかしてしまったモノはしゃーない。反省と改善は今後の課題として取り敢えず残りの見回りを完了させて、結局この2頭が本日の猟果でした。
生きてる方を出来れば先に片付けたいものなのですが。死骸を数時間とはいえ後回しにして、腐敗したり(日中の暑さはまだ油断できない)カラスとかの食害くらったりしたら色々な意味で大変なことになります。なので死んでる方の後始末から。

現場に舞い戻ってきたのは30分ほどしてからでしょうか。当然ながら様子は変わらず、カラスその他の接近した様子もなく。後の予定が詰まってるので手早く済ませないといけませんのでレッツ・ビギン。
ワナを付けたまま引き綱代わりにしようと思ったのですが、御覧の通りワイヤーがピンと張り詰めてて解くことが出来ず。
なので獲物を引っ張り上げてワイヤーを緩めようと足を掴んだその瞬間。

バチコーンと手を払われて痛ってええええええ!?
突然、めっちゃ足をバタバタと暴れ始めました。生きとったんかワレェ!

・ぇえー…? いえ不満とかではないんですけど。
腐敗臭はおろかハエとかがたかる様子もなく、朝晩だいぶ涼しくなったとはいえ意外には思ってましたが、まさか生存していたとは予想外。
どんだけ節穴やねんとか言われてしまうと返す言葉もないんですが。
でもこれは仕方ないと自己弁護させていただきます。だって本気でまったく身じろぎ一つしなかったんですよ?屠体に触れこそしませんでしたが至近から矯めつ眇めつ観察しましたし、そういえば最初の検分の際には上をまたいで通ったりしたとゆーのに。ちょっとぐらい反応してくれてもええやん?

ていうか、そんな感じに僕が写真とったりアレコレしてる間、コイツはこの姿勢のままでじっとこちらを観察してたんか。

怖。考えてみたら怖。

・蹴られた手は一瞬痺れましたが、その後すぐに復調して何事もなかったのは幸いでした。
言わずもがなの事ですが、シカの脚力でまともに蹴られたらタダでは済まないので注意しなければなりません。
当たり所によっては骨折やヒビが入るくらいは容易に起こり得ますし、止め刺ししようと近付いたらナイフを蹴り飛ばされて紛失してしまったという話もあります。
紛失したならまだマシで、周囲の仲間に当たってケガをさせたとか、しっかり握り締めていたナイフがそのまま自分に刺さったりする事例も無きにしも非ずだそうで。スティーブン・セガールみたいな事をやるシカが居るものなんですねえ。

・閑話休題。
キックの切れ味から見るにすこぶる元気そうではあるのですが、風前の灯火的な最後の余力を振り絞ってる可能性も否定できず。
なので車に止め刺しセットを取りに戻って、このまま先にこちらを会社へ搬入することに予定変更。
その後はトラブルなく搬入完了、1頭目の若ジカも逃げてたりすることなく捕獲完了しました。
即ち1日で3万円のお小遣いゲットですよ。メシウマ!

しかし危ないところではありました。
何かの間違いでワナがすんなり木から解けてたら、突然復活したシカにかつて無い程におもいくそ目の前で逃げられていたのか…
きっと泣いていたと思います。ガチ泣き。

・ところで。
こんなストレスかかりまくった状態で捕獲したシカの肉質は大丈夫なのか?と疑問されるかもしれません。
それに対する回答としましては、さあ、とか言えないんですけれども。
だってこんなワケ判らん姿勢にならなくても、くくりワナなり檻なりに捕まってる時点でストレスマッハでしょうし。大暴れしてない分だけいっそマシかも知れません。

この辺りは銃猟師さんとワナ猟師さんが論戦を交わしてるポイントです。
すなわち銃猟師さん曰く、長時間ストレスに晒されて暴れまわってとかした獲物の肉が美味いわけがない。
ワナ猟師さん曰く、撃ち殺して心臓が止まってから血抜きがちゃんと出来るワケがない、或いは腹ぶち抜いて糞便で汚れた肉なんて食いたくない。
そーいった感じの事を、キノコタケノコ論争以上に熱く語ってたり。

実際の処はどーなんでしょうね。
捕獲の方法と肉質の関係について、大学や研究機関、あるいは有志の猟師さんが研究している話は存じていますけど。
ワナ猟師のくせに言ってしまいますけど、確かにストレスとかの観点から銃猟の方が良いお肉は獲れるのかもしれません。
具体的には、犬を使ったり大人数で追い出したりするのではなく。
のんびり青草など食んでいるシカを遥か遠くからライフルで気付かれずヘッドショットでワンキルしたら、ストレス皆無で良質のお肉が獲れそうです。理想を追求したら。

ただ理想は理想。それを現実的にやろうとしたら課題は山積みです。
そんな狩猟を出来る猟師さんが何人いるのか。
一日当たり何頭獲れるのか。
獲れたとして、基準を満たした衛生的な処理施設へ時間内に搬入できるのか。
その辺を鑑みて販売価格はどーなるのか。云々。

さしあたり僕が言えるのは、うちの会社のお肉は美味しいってことぐらいで。
細かいことはいいんだよ!

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