・久々に、バンビちゃんじゃない獲物をゲット。当然と言っていいのか、例の林道ではありませんけど。いやダメだろう。とにかく、数日前に新しく開拓した狩場にて早々に掛かりました。
搬入時体重53kgのメスシカ。お腹のベイビーちゃん込みの重さとはいえ、メスシカとしては中々の大物でした。
が。

捕獲時の様子。なんでこんな判り難いアングルなのかと申しますれば。
・朝、現場に到着。車から降りるなり、茂みの向こうのワナを仕掛けてる辺りがガッサガサ揺れてて内心ガッツポーズ。もう掛かってくれましたかよ!
と思ってたら、バキッて異音と共にガサガサが遠ざかっていき、数秒後には向うの方からシカが飛び出して道路を渡り川へと下る雑木林へ駈け込んでいきました。ええーっ!?
と思ってたら、ずるずると足に掛かったワナを引きずっていることに気が付きました。ええー。
と思ってたら、ワナをくくっている木がそのまま引っ張り出されて雑木林の中へ吸い込まれて行きました。ええー……。
この辺りで我に返って、そしてピンときて慌てて後を追いました。そしたら意外に斜面をだいぶん下りてはいたものの思った通り、折れた木が他の木に引っ掛かって動けなくなっていました。それが上の写真です。
つまりはお尻を向けてる姿を撮影したというよりも、斜面の上から見下ろしてる状態なのです。横から回り込んで撮影を試みたりしたら、横から上へと斜面を今度は駆けあがって逃げようとするかもしれず、そしたらせっかく上手いこと引っ掛かってくれた木が外れて完全逃走してしまいかねませんので。
このあと大急ぎで車に戻って予備のワナを取り出してシカの所へ舞い戻り、絡まった木同士をワイヤーで縛り上げてこれ以上逃亡されないようにしました。あーやれやれ。ビックリした。ギリギリアウフ。いや、セウト…?
・足を引っこ抜いて逃げる、足を千切って逃げる、ワナを壊して逃げる、ワナごと逃げる。
捕獲した状態から逃げられたことは、これまで色々なシチュエーションで経験してきましたが、ワナをくくった木を折って逃げられたのは、自分のワナでは今回が初めてです(多分)。
他の猟師さんのワナで同様の事態を聞いた事はありましたけど。
もっともその人の場合は目の前でへし折って逃げられたのではなく、見回りに行ったら木がまるっと無くなってた、というなんだかシュールな状況だったそうですが。ちなみにその後、少し離れた川の中で足にワイヤーと倒木が絡まったまま死んでるシカだかイノシシだかを見つけたそうで。Oh…
これまで、ワナをくくる木は僕の手首より太い幹であること、というマイルールを設けていました。もうちょい具体的な言い方をすると、片手で掴んで中指と親指とがくっ付かない太さ。そうするべしという記述をどこかで読んだことがあるのです。確か狩猟読本だったような気がするのですが。
で。今回ワナを設置していた、新たに見つけた獣道はこんな感じ。

草一本生えないくらいに踏み固められてて、近日中に獲物が通行すること間違いなしの、見つけた瞬間には勝利を確信した獣道です。
ところがぎっちょん、ワナをくくれる木が全く無かったんです探索して即判明したんですが。
この先に僕の手首よりちょい細めの木が一本のみ獣道の傍に立ってるだけで、他の木は4,5メートルは離れていてワナを設置することは出来ません。そこから更に進むと茂みがあってその向こうは道路。逆に獣道を写真の手前側に辿って行きますと、写真に写ってますススキもしくはそれに似た草がわんさと生え茂った斜面が広々と広がっている中へと続いていまして、割とすぐに他の複数の獣道が縦横無尽に入り乱れて網目状になってます。その中にはちらほら雑木が生えてはいるのですが、そこにワナを仕掛けたところで網目状ゆえに一体いつそこを通過して踏んでくれるのか見当がつきません。偶然に任せるしかない。そしてこの網目フィールドへの他からの侵入口は、斜面の上の方だったり下の方だったり遥か先の方だったりから繋がってる獣道。見回りするのも仮に獲物が獲れたとして運び出すのも大変すぎます。
つまりは写真に写ってるこの獣道こそが、高確率でシカをゲットできそうな唯一の侵入口だったわけで。なので己を曲げて、そのちょい細めな木にワナを仕掛けることにしたのです。
樹高は3mあるかないかくらい。品種とかそーいうのは判りません。葉っぱはありませんでしたが新芽が付いていたので枯れてはいない様子。
木の体積って、地上に見えている分と地下の根っこの部分とでほぼ同量だと何かで読んだことがあります。つまりはおいそれと引っこ抜けることはないハズ。
幹の細さは少し不安でしたが、地面きわきわの低い位置にくくっておけば折れたりせずにイケるかなー、と思ったんです。
実際、幹は折れなかったんですよ。幹は。そして根っこが引っこ抜けた訳でもなく。
なら何が起きたのかと申しますと、折れた木の様子はこの通り。

写真の上の方、木が交差してて細い枝とで三角形を形成してる位置で、枝に少し隠れてますがワイヤーがめっちゃグルグル巻きになってるのがお判りでしょうか。
ここが、ワイヤーをくくった地面きわきわの位置でした。
つまりは地中で根っこがポッキリ折れて、そこから引っこ抜けたわけですね。って、ええー…。
そんなん予見できるかksg。
これが、ワナを設置していたポイント。土が見えている所こそが木が生えていた場所で、そのすぐ左にワナがありました。踏み板は撮影時点で撤去してましたが。

土は大してひっくり返ってないんですよね。目の前でシカが逃げて無かったら、残されたこの現場を見ても訳が分からなかったと思いますよきっと。ううむ。
今後なんぼでもシカを獲り放題だった筈のポイントですが、ワナをくくれる木が消滅した以上はもはやどーにも出来ず。放棄するしかないです。無念。
・なんだかなー。最近ちょっとダメダメ過ぎです自分。先日の、締め付け防止金具の不備とかもそうですが。やるべき事が一部だけ抜けてたり、自分でこうと決めたルールを破ったり。
弛んでいたつもりはないのですが、ちょっと己に対して甘くなってたかも知れません。
この日のシカも結果的に捕獲は出来ましたが、ほんとギリギリな幸運というか単なる悪運でした。あと数歩でも駆け降りられていたら最早ひとりでは回収不可能でしたよ。結構な急斜面を53kgを引っ張り上げるのに死ぬほど苦労しました。自分の不徳の致すところですので甘受しますが。いっそ逃げられていた方が戒めになったでしょうねー。きっと泣いてたでしょうけれども。
もっとビシッと気を引き締めて掛からないといけません。メメントモリ。
気にし過ぎでしょうかね。
いやいや、メスシカだったのが不幸中の幸いだっただけで、もし今日の相手がオスシカだったりクソイノシシだったりしたらまたぞろ命が危険だったわけですし。くぐらなくていい死線はくぐらないように気を付けないといけません。いや本当に。
・ところで。
シカを追って川へと下りていく雑木林に入ってみたら、そこにも獣道がありました。
あったというか、ワナを仕掛けた獣道と道路を挟んで一本の獣道になってたんですね。雑木林ゆえにワナを仕掛けるだけならなんぼでもポイントはあるんですけど、ここで獲物が掛かったところで引っ張り出すのに死ねるのは前述のとおり。
こーゆう所を見つけるたび、軽トラにウインチ付けたら便利なのになーと思わなくもないです最近。
猟師御用達ですねアーム付のウインチ。
こんなん付けた軽トラが走ってるのを見たことがある方も多いかと思います。
斜面の獲物を引っ張り上げるだけでなくてそもそも軽トラに積み込む時にも、一人では持ち上げられない大物が獲れたって怖くありません。
そんなん獲れたこと1回しかないですけども。
とにかく、狩場の候補地を広げる点でも腰の保全という観点でも、検討してみるのも一興かもしれません。
搬入時体重53kgのメスシカ。お腹のベイビーちゃん込みの重さとはいえ、メスシカとしては中々の大物でした。
が。

捕獲時の様子。なんでこんな判り難いアングルなのかと申しますれば。
・朝、現場に到着。車から降りるなり、茂みの向こうのワナを仕掛けてる辺りがガッサガサ揺れてて内心ガッツポーズ。もう掛かってくれましたかよ!
と思ってたら、バキッて異音と共にガサガサが遠ざかっていき、数秒後には向うの方からシカが飛び出して道路を渡り川へと下る雑木林へ駈け込んでいきました。ええーっ!?
と思ってたら、ずるずると足に掛かったワナを引きずっていることに気が付きました。ええー。
と思ってたら、ワナをくくっている木がそのまま引っ張り出されて雑木林の中へ吸い込まれて行きました。ええー……。
この辺りで我に返って、そしてピンときて慌てて後を追いました。そしたら意外に斜面をだいぶん下りてはいたものの思った通り、折れた木が他の木に引っ掛かって動けなくなっていました。それが上の写真です。
つまりはお尻を向けてる姿を撮影したというよりも、斜面の上から見下ろしてる状態なのです。横から回り込んで撮影を試みたりしたら、横から上へと斜面を今度は駆けあがって逃げようとするかもしれず、そしたらせっかく上手いこと引っ掛かってくれた木が外れて完全逃走してしまいかねませんので。
このあと大急ぎで車に戻って予備のワナを取り出してシカの所へ舞い戻り、絡まった木同士をワイヤーで縛り上げてこれ以上逃亡されないようにしました。あーやれやれ。ビックリした。ギリギリアウフ。いや、セウト…?
・足を引っこ抜いて逃げる、足を千切って逃げる、ワナを壊して逃げる、ワナごと逃げる。
捕獲した状態から逃げられたことは、これまで色々なシチュエーションで経験してきましたが、ワナをくくった木を折って逃げられたのは、自分のワナでは今回が初めてです(多分)。
他の猟師さんのワナで同様の事態を聞いた事はありましたけど。
もっともその人の場合は目の前でへし折って逃げられたのではなく、見回りに行ったら木がまるっと無くなってた、というなんだかシュールな状況だったそうですが。ちなみにその後、少し離れた川の中で足にワイヤーと倒木が絡まったまま死んでるシカだかイノシシだかを見つけたそうで。Oh…
これまで、ワナをくくる木は僕の手首より太い幹であること、というマイルールを設けていました。もうちょい具体的な言い方をすると、片手で掴んで中指と親指とがくっ付かない太さ。そうするべしという記述をどこかで読んだことがあるのです。確か狩猟読本だったような気がするのですが。
で。今回ワナを設置していた、新たに見つけた獣道はこんな感じ。

草一本生えないくらいに踏み固められてて、近日中に獲物が通行すること間違いなしの、見つけた瞬間には勝利を確信した獣道です。
ところがぎっちょん、ワナをくくれる木が全く無かったんです探索して即判明したんですが。
この先に僕の手首よりちょい細めの木が一本のみ獣道の傍に立ってるだけで、他の木は4,5メートルは離れていてワナを設置することは出来ません。そこから更に進むと茂みがあってその向こうは道路。逆に獣道を写真の手前側に辿って行きますと、写真に写ってますススキもしくはそれに似た草がわんさと生え茂った斜面が広々と広がっている中へと続いていまして、割とすぐに他の複数の獣道が縦横無尽に入り乱れて網目状になってます。その中にはちらほら雑木が生えてはいるのですが、そこにワナを仕掛けたところで網目状ゆえに一体いつそこを通過して踏んでくれるのか見当がつきません。偶然に任せるしかない。そしてこの網目フィールドへの他からの侵入口は、斜面の上の方だったり下の方だったり遥か先の方だったりから繋がってる獣道。見回りするのも仮に獲物が獲れたとして運び出すのも大変すぎます。
つまりは写真に写ってるこの獣道こそが、高確率でシカをゲットできそうな唯一の侵入口だったわけで。なので己を曲げて、そのちょい細めな木にワナを仕掛けることにしたのです。
樹高は3mあるかないかくらい。品種とかそーいうのは判りません。葉っぱはありませんでしたが新芽が付いていたので枯れてはいない様子。
木の体積って、地上に見えている分と地下の根っこの部分とでほぼ同量だと何かで読んだことがあります。つまりはおいそれと引っこ抜けることはないハズ。
幹の細さは少し不安でしたが、地面きわきわの低い位置にくくっておけば折れたりせずにイケるかなー、と思ったんです。
実際、幹は折れなかったんですよ。幹は。そして根っこが引っこ抜けた訳でもなく。
なら何が起きたのかと申しますと、折れた木の様子はこの通り。

写真の上の方、木が交差してて細い枝とで三角形を形成してる位置で、枝に少し隠れてますがワイヤーがめっちゃグルグル巻きになってるのがお判りでしょうか。
ここが、ワイヤーをくくった地面きわきわの位置でした。
つまりは地中で根っこがポッキリ折れて、そこから引っこ抜けたわけですね。って、ええー…。
そんなん予見できるかksg。
これが、ワナを設置していたポイント。土が見えている所こそが木が生えていた場所で、そのすぐ左にワナがありました。踏み板は撮影時点で撤去してましたが。

土は大してひっくり返ってないんですよね。目の前でシカが逃げて無かったら、残されたこの現場を見ても訳が分からなかったと思いますよきっと。ううむ。
今後なんぼでもシカを獲り放題だった筈のポイントですが、ワナをくくれる木が消滅した以上はもはやどーにも出来ず。放棄するしかないです。無念。
・なんだかなー。最近ちょっとダメダメ過ぎです自分。先日の、締め付け防止金具の不備とかもそうですが。やるべき事が一部だけ抜けてたり、自分でこうと決めたルールを破ったり。
弛んでいたつもりはないのですが、ちょっと己に対して甘くなってたかも知れません。
この日のシカも結果的に捕獲は出来ましたが、ほんとギリギリな幸運というか単なる悪運でした。あと数歩でも駆け降りられていたら最早ひとりでは回収不可能でしたよ。結構な急斜面を53kgを引っ張り上げるのに死ぬほど苦労しました。自分の不徳の致すところですので甘受しますが。いっそ逃げられていた方が戒めになったでしょうねー。きっと泣いてたでしょうけれども。
もっとビシッと気を引き締めて掛からないといけません。メメントモリ。
気にし過ぎでしょうかね。
いやいや、メスシカだったのが不幸中の幸いだっただけで、もし今日の相手がオスシカだったりクソイノシシだったりしたらまたぞろ命が危険だったわけですし。くぐらなくていい死線はくぐらないように気を付けないといけません。いや本当に。
・ところで。
シカを追って川へと下りていく雑木林に入ってみたら、そこにも獣道がありました。
あったというか、ワナを仕掛けた獣道と道路を挟んで一本の獣道になってたんですね。雑木林ゆえにワナを仕掛けるだけならなんぼでもポイントはあるんですけど、ここで獲物が掛かったところで引っ張り出すのに死ねるのは前述のとおり。
こーゆう所を見つけるたび、軽トラにウインチ付けたら便利なのになーと思わなくもないです最近。
猟師御用達ですねアーム付のウインチ。
こんなん付けた軽トラが走ってるのを見たことがある方も多いかと思います。
斜面の獲物を引っ張り上げるだけでなくてそもそも軽トラに積み込む時にも、一人では持ち上げられない大物が獲れたって怖くありません。
そんなん獲れたこと1回しかないですけども。
とにかく、狩場の候補地を広げる点でも腰の保全という観点でも、検討してみるのも一興かもしれません。
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