・自分のワナに獲物が掛かった場合、基本的に一人で止め刺しから運び出しまで行います。というか、一人で済ませられる場所を選んでワナを仕掛けている訳ですが。なので他の猟師さんがうちらの助力を前提に、つまりは例えば二人掛かりでないと引っ張り上げられない斜面の下とか足元の悪い農道や林道を軽く100メートル以上踏み入った先とかでも遠慮なくワナを仕掛けてバシバシ獲りまくってたりしてるのがちょい羨ましかったり。絶対に獲れること間違いなしの気配濃厚なポイントを見つけたのに運搬が困難or不可能なため泣く泣く諦めたことがこれまで何回あったのかとぐああああああああああ

失敬。ちょっと漏れました。
とにかくそーいった己への気配りも効果があるのは車へ運ぶところまで。軽トラの荷台への積み込み作業が、獲物の重量によっては軽く死ねます。軽トラにウインチ付けてる猟師さんならそんな悩みとは無縁でしょうが、言うまでもなくそんな高価な設備がマイ愛車に付いてる筈もありませんし。

・大体50キロ前後までの獲物なら、ソリごと一緒によいしょーって何とか抱え上げて積み込めます。手足と首が短くてフォルムが丸まっちいのでバランスの取りやすいイノシシならプラス5キロくらいはイケるでしょーかね。
それを超えると抱え上げるのはムリムリムリムリかたつむりよ!! なのでひと手間加えます。具体的には空のトロ舟をうつ伏せに置いてその上にソリを頑張って載せます。高さを稼ぐワケですね。そして自分が荷台に上がってソリのヒモを掴んで引っ張って荷台の縁にソリの端っこをなんとか引っ掛けて、あとは気合。奥歯を砕けよとばかりに噛み締めつつ全身全霊をかけて引っ張り上げます。

このやり方で、一応これまではなんとかやってきました。具体的に最高値は85キロのイノシシ。2、3回はトチッて落として、もうダメかと半泣きになりつつあと1回だけとトライしたら辛うじて成功しました。全身汗でだっくだくになったのを覚えています。
ちなみに一気に跳んで103キロのオスシカが自分のワナで獲った最重記録ですが、幸いそのときは見物してた近所のおっちゃんが2人も居たので手伝ってもらって何とかなりました。

…それにしても、くくりワナに掛かった85キロのイノシシなんて今なら視認した瞬間に逃げだして会社に助けを求めていましたよ。確かぐるんぐるんに木に巻き付いて動けなくなっていたのでどうにか出来たんでしたっけか。経験浅くて無知だったからこそ成し得た所業。

閑話休題。
90キロを超えるクラスとなると、年間ン100頭と会社へ搬入される中でも数えるほどしかありません。ゆえに自分のワナに掛かる事はめったにないでしょうーけど何時までもないという保証も当然ながらなく、そうなってしまうともはや詰みです。ていうか普通に50、60キロ台の獲物を積み込んでる今の時点で結構クるものがありますし。なので、もーちょい積み込みが楽になるようスロープを使用することにしました。

・スロープ。ブリッジ。ラダー。歩み板。歩み。
色々な呼び方があるみたいですが、軽トラとかバンの荷台に農機やバイクを積み込む際に使用するアルミ製のあれです。

買うといいお値段しますし、荷台のスペースを結構とります。偶にせいぜい80キロ足らずの荷物をシャシャーッと載せるだけですので、お手軽に木材でDIYしてみます。

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ツーバイフォー材にしようかと思いましたが、シートを被せるとはいえ軽トラの荷台に積みっぱになるので少しでも長持ちするようにと防腐処理済みの材木にしました。3メートルちょいの材を半分に切っておよそ1.5メートル。

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ズレ防止のための金具。
100均の商品で済ますなんて正気か左近どんとか言われそうですが、
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重量はあくまでこんな感じに荷台と地面にかかる目論見ですので。この写真だとめっちゃ判り難いですけど斜めにアオリに引っ掛かってるのがこの金具。

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お久しぶりの神具・インパクトドライバー様。相変わらず神々しい立ち姿です。

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どうという事もなく完成ー。
重さに耐えられるかどうかとかは実戦にて確認します。とりあえず65キロ前後の僕がのっかってみると少したわむ程度なので大丈夫かとは思いますけど。

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ソリの裏面。補強材の間にピッタリと、まるであつらえたみたいに丁度はまり込むサイズ。お陰で横にずれたりせず安定して引っ張り上げられそうです。
え、あ、はい、もちろん事前にちゃんと計測しておいてからこの材を選んだのですから当然のことですけど?偶然なんかじゃないですけど?

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普段はこんな感じで、金具を向かい合わせにして端っこに積んどきます。うむ、コンパクト。
しかし荷物が増えるなー。電殺棒2本に予備、対オスジカ兼イノシシ保定用のくくりワイヤー、対イノシシ用の鼻くくり、そして棍棒。長物同士でどれか兼用とかできればいいんですけどそれも適わず。むう。

とまれ、これにて準備は万端。あとはなるべくでっかい獲物が掛かるのを待つばかり。さあ来い。来て下さい。






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